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高圧酸素療法とは

高圧酸素療法について

高圧酸素療法とは

通常の大気圧より高い気圧環境の中で、酸素を吸入することにより病態の改善を図ろうとする治療です。普段私たちが無意識で行う呼吸で得ることができる酸素の量は、ほぼ一定となります。そして呼吸で取り入れた酸素は血液に運ばれ、全身に酸素を届けています。しかし、病気やけがで血管が狭くなり詰まってしまうことがあります。その先の血液の流れが悪くなり酸素が届きにくい状態が続くと、細胞が障害され機能が低下します。高い気圧環境の中で酸素を吸入すると、通常の大気圧下での呼吸で得られる酸素量に対して、約10倍にまで酸素を体内に取り込む事ができます。体内で取り込まれた大量の酸素は、手足の先端まで行き渡りあらゆる低酸素状態の改善を図ります。血管新生や組織修復などに働きかけることから、創傷治癒に対しても促進効果を発揮します。

高圧酸素装置

高圧酸素療法に使う高圧酸素治療装置には、第1種装置と第2種装置があります。当院は第1種装置があります。

第1種装置(1人用)

患者さん1名をタンクに収容し100%酸素で加圧していき、治療を行う装置です。装置内を100%酸素で満たす為、発火の恐れがある物や圧力に耐えられない物などタンク内に持ち込めるものに制限が多い欠点があります。治療中は2気圧まで圧力をあげ、60分の治療を行っています。

高圧酸素療法の効果

血液中の酸素は、赤血球にあるヘモグロビンと結合して「結合型酸素」として運ばれます。そのため、100%酸素を吸っても、ヘモグロビンに結合できる酸素は上限が決まっています。しかし、高い圧力をかけることにより血液の液体成分に直接、酸素が溶解して運ばれる「溶解型酸素」が増加することにより病気の改善をはかる治療です。

圧力をかけ溶解型酸素が増える事により、以下のような効果が期待されます。

① 高圧力による効果

気体の容積は圧力に反比例し、溶解する気体の量は圧力に比例します。そのため、高い圧力の状態になると生体内(血管内)の気体の容積が縮小し、生体内(血管内)の気体が血液や体液に溶解します。その結果、循環障害の改善が期待されます。

② 高濃度酸素による効果

高濃度の酸素を取り込む事で溶解型酸素が増え、末梢まで酸素が多く運ばれる為、低酸素状態の改善や循環障害の改善が期待されます。

適応疾患

  1. 減圧症又は空気塞栓
  2. 急性一酸化炭素中毒その他のガス中毒(間歇型を含む。)
  3. 重症軟部組織感染症(ガス壊疽、壊死性筋膜炎)又は頭蓋内膿瘍
  4. 急性末梢血管障害
    • (イ)重症の熱傷又は凍傷
    • (ロ)広汎挫傷又は中等度以上の血管断裂を伴う末梢血管障害
    • (ハ)コンパートメント症候群又は圧挫症候群
  5. 脳梗塞
  6. 重症頭部外傷後若しくは開頭術後の意識障害又は脳浮腫
  7. 重症の低酸素脳症
  8. 腸閉塞
  9. 網膜動脈閉塞症
  10. 突発性難聴
  11. 放射線又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍
  12. 難治性潰瘍を伴う末梢循環障害
  13. 皮膚移植
  14. 脊髄神経疾患
  15. 骨髄炎又は放射線障害

治療の流れ

  1. 事前に問診票の記載があります
  2. 診察(事前検査有り)
  3. 高圧酸素治療の説明と同意
  4. 治療準備の為、専用衣(綿100%)に着替えます
  5. 看護師が症状の確認と所持品・衣類の点検を行います
  6. 高圧酸素治療室へ移動します
  7. 臨床工学技士から耳抜きの説明・衣類や持ち物の点検を行います(ダブルチェック)
  8. 装置内に入り、治療を開始します。
    • 治療時間(90分~120分)
    • 治療機器内を100%酸素に充填させます(約6分)
    • 大気圧から治療気圧に上げる時間(約15分~30分)
    • 治療気圧保持の時間(60分)
    • 治療気圧から大気圧に下げる時間(約15分~30分)
  9. 治療終了

治療中の注意点

1.耳抜き

治療を開始すると耳の痛みや詰まるような感じがする場合があります。そうなったときは、下記のいずれかを行ってください。

  1. 鼻をつまんだまま、唾液(つば)を飲み込む
  2. 口を閉じ、鼻をつまんで鼻をかむ

これらの方法を行うことで、耳から空気が抜ける感じがして、耳の痛みやつまりが取れます。

2.持ち込めない所持品について

100%酸素を使用し圧力を上げていくため、使用する装置内は発火の危険がある物や圧力で破損する物は、持ち込めません。高圧酸素治療を受けられるときには下記の物品を絶対に持ち込まないで下さい。

  1. 発火源になる物(各種カイロ、マッチ、ライター、タバコなど)
  2. 引火する危険のある物(マニュキア、セルロイド、油脂類など)
  3. 衝撃により火花の発生、圧力により故障する物(携帯電話、補聴器、時計、鍵など)

3.服装

高気圧酸素治療を行う際には、綿100%の服に着替えていただきます。(下着は静電気軽減のため綿100%の着用をお願いします)

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